富士山を中心に様々な事業を展開する富士急行と関係会社が入る、山梨県富士吉田市に位置する本社ビルの改修計画。

本社機能とともに富士吉田市内に分散していた関係会社を1つの建物に集約することでグループの一体感を醸成しつつ、本社機能の強化する計画が求められた。

部署間の分断や打合せスペースの不足といった課題を解消するため、“ファイルセンター”を稼働率の低いフロアに設け、倉庫機能を集約・効率化することで、執務フロアに余裕が生まれ、必要機能を充足出来る計画とした。

デザインのコンセプトとして、富士急行の「富士を世界に拓く」という理念に基づいた“超日常にあふれる体験と環境”をオフィス空間においても実現することを目指した。富士急行の事業を想起させるオブジェクトや、寿命を終えたバス停サインなどのリユーズ品を各所に散りばめ、日常でのワクワクとサステイナビリティを両立する富士急行の理念を、富士山麓を周遊するかのように体験出来るオフィスを目指した。

上記のビジョンやゾーニング計画を明確にした与件を策定後、速やかに複数社によるデザイン及び実施設計施工の入札を行うことで、機能を損なうことなくコストの最適化を図った。施工会社決定後は、デザインディレクションや設計内容の精緻化、施工期間中も含めてフォローを行うことで、ハイレベルなデザイン・品質を、オンバジェット・オンタイムで実現した。