羽田空港第3ターミナルの商業・飲食フロアである「江戸小路」内に位置する、昭和五年から続く老舗の天ぷら専門店である「銀座天一」の店舗設計のプロジェクト。

天一の伝統と歴史を世界中の人々に向けて発信することを意図し、テーブル席とカウンター席の壁面に対峙するポップアートとして、新旧2つのグラフィックを配した。特注プリントタイルには、昭和後期の店舗で配られたマッチ箱の地図絵を採用し、金属左官のレリーフには、折詰弁当をモチーフとしたタイポグラフィアートを表現した。内装は商業施設全体のテーマである「江戸小路」の街並みに馴染むよう、和を基調とした土壁と木目調で統一した。対峙する2つのアートワークをつなぐようにカウンター席からテーブル席へ折上天井を放射状につくることで、天一が辿ってきた歴史の折り重なりを演出しつつ、新旧の色彩のを調和させることで、店全体のコンセプトである「レトロポップ」を表現した。

写真クレジット：Shuya Iwata